こんにちは。うさぎ専門の獣医師、たけちよです。
朝起きたら、うさぎがペレットも牧草もまったく食べていない…
そんなとき、不安な気持ちとともに、
「すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」「どれくらい費用がかかるんだろう」と、
金銭面もちょっぴり気になりますよね。
いざというときに慌てず行動できるように、
いざという時に慌てず行動できるよう、今回は「初期のうったい」を想定した費用の目安について紹介します。
Contents
うさぎの「うったい」は食欲不振の代表的な原因
うさぎの食欲不振は、命に関わることも多いです。
特にうさぎに多い「消化管うっ滞(通称:うったい)」は、
胃腸の動きが鈍くなり、ガスがたまり、食べ物も進まず…という悪循環を起こします。
うったいはいつ、どの子にも突然起こる可能性がある状態。
「昨日まで元気だったのに、朝から急に食べない」という主訴での来院は、私たちウサギを日常的に診ている獣医師には日常茶飯事なのです。
一見元気そうでも、うったいは数時間のうちに急激に悪化することも。
そのため、「ちょっとおかしいな」と思った時点で、すぐに病院を受診することが大切です。
病院ごとに、実施する検査治療、費用は異なる
まず大前提として、
- 動物病院によって診察料・検査料・薬代などの設定は異なります。
- また、うったいの重症度や原因、うさぎの年齢や持病によって、必要な治療は変わります。
今回ご紹介する費用は、あくまで「比較的早期に気づけた軽度のうったい」を想定した場合の一般的な目安です。
状態が悪化している場合や、追加の処置が必要なケースでは、さらに費用がかかることもあります。
【ケース別】うさぎのうったい治療にかかる費用の目安
① 診察と治療のみ(若いウサギで軽度な場合)
若くて元気があり、ぐったりしていない、初期のうったいの場合、
検査は行わず、症状の緩和を目的とした治療をして改善するかを待つこともあります。
(消極的というよりは、検査でのストレスを考慮してのことです。)
その場合、費用の目安は以下の通りです。
| 診察料 | 1,000 〜 2,000円 |
| 皮下点滴 | 4,000 〜 6,000円 |
| 自宅で飲むお薬 | 2,000 〜 3,000円 |
合計:約 7,000 〜 11,000 円
このパターンでは、比較的費用を抑えながら、初期治療として必要なケアを受けることができます。
ただし、原因が他の病気に隠れている場合は、検査を省くことがデメリットになることも。
② 検査を含めた治療(原因等をしっかり調べる場合)
再発を繰り返している、原因が不明瞭、年齢的に他の病気も疑わしい…という場合は、
検査を行ってから治療に進むケースがおすすめであることも。
その際の費用は下記の通りです。
| 血液検査 | 10,000 円前後 |
| レントゲン | 7,000 〜 10,000 円 |
| 上記の治療費(診察、点滴、内服) | 7,000 〜 11,000 円 |
👉 合計:約 25,000 〜 30,000 円
しっかりと検査をすることで、重大な病気の早期発見にもつながります。
必要に応じて検討してほしいと思います。
「うさぎ貯金」、していますか?
私自身も、うさぎと暮らすひとりの飼い主として
“いざという時のためのうさぎ貯金”をしています。
急な体調不良、特に「突然ごはんを食べない」なんてことは、
うさぎさんと暮らしていると少なくありません。
そんなとき、病院での診察や処置にかかる費用が心配で、
迷ってしまう方もいるかもしれません。
でも、「今月はちょっと厳しいから様子見で…」という判断が、結果的に手遅れにつながってしまうことも実際にあります。
週1,000円でも十分。10年で50〜60万円の備えに
たとえば、1週間に1,000円ずつ。
月に4,000〜5,000円を「うさぎ用」としてコツコツ貯めていくと…
- 年間で約5〜6万円
- うさぎさんが10歳まで生きると仮定すれば、50〜60万円
という心強い備えになります。
しかも、これは保険のように“掛け捨て”ではありません。
いざという時に備えつつ、使わなければ自分の資産として残るのが「うさぎ貯金」の良いところです。
貯金があるだけで、選択肢が広がる
もちろん、すべての体調不良が高額になるわけではありません。
私も獣医師として、不必要な検査はしたくありません。
軽い症状なら、2〜3万円の備えで十分落ち着いて対応できるケースも多いです。
でも、高齢になってからの手術や入院が必要なケースでは、10万円以上かかることもあります。
そんなときでも、「お金があるから、すぐ動ける」という状態が飼い主さんにとっても、うさぎさんにとっても、大きな安心材料になると私は思っています。
まとめ 備えが、命を守る判断力になる
うさぎの体調不良は突然やってきます。
「食べない=命に関わる可能性もある」からこそ、迷っている時間が惜しいことも。
私は獣医師として、そしてうさぎと暮らすひとりの人間として、
大切な命を守るチャンスを逃してほしくないと思っています。
この記事が、うさぎさんとの暮らしを少しでも安心にするきっかけになれば嬉しいです。
よかったら保存・ブックマークして、いざというときに役立ててくださいね
最後までお読みいただきありがとうございました。
獣医師 たけちよ
この記事が、少しでもあなたとウサギさんの
生活に役立てば幸いです。
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