ウサギさんが1番刈りチモシーを食べない…2番刈りチモシーじゃだめ?

今日は食に関して。

ところで皆さん、「うちの子は一番刈りチモシーをたくさん食べます!」と自信をもって言えるでしょうか。

自信をもって言える方は、ほんとうに素晴らしいです。この記事を読まなくていいので、2番刈りチモシーや青々とした高級牧草に脇目をふらずに、そのまま今の生活を続けてください。

そんななか、『1番刈りチモシーをなかなか食べてくれない…』『2番刈りしか食べないんんです😿』とおっしゃるる方はとても多いです。

もしかしてあなたもその一人でしょうか。

今日は、なぜ1番刈りチモシーがいいといわれているのか、なぜショップ店員さんや獣医師は一番刈りを勧めてくるのかの理由がわかるよう解説する記事を書きました。

一説には「チモシー1番刈りじゃなくても、食べる草ならなんでもいい!」という妥協案も散見されます。

食べ物については本当に意見が分かれるので何とも言えませんが、

私は、この説は一部正解でもあり、一部は見直した方がいい点があると思います。

文献をよんだり、色々な獣医師や長くやっている専門店の方やたくさんの飼い主さん達にお話を聞いている中で、今のところ最も有力だと思った説をここでは紹介しようと思います。

目次

牧草がうさぎにもたらすメリット

大きく考えて、牧草がウサギにもたらすGOODなポイントは主に二つあるのです。

歯への影響と、②消化管への影響です。

①歯に対する影響

牧草を食べることがもたらす、歯におけるメリットは、ズバリ切歯、臼歯の過長を防ぐこと。

ちょっと昔までは、牧草が歯と擦れることで歯が削れると言われていました。

しかし今では、牧草を食べる時の歯同士の擦れによって歯が削れていることがわかっています。

ウサギ飼いさんは勉強熱心な方が多いのできっとご存知の方もいることでしょう。

つまり、問題は牧草の硬さではなく、牧草であれば1番刈りであろうが、2番刈り、ましてや3番刈りやソフトチモシーのようなものでも歯は削れます。

②消化管への影響

皆さんもご存知、うっ滞との関連性です。

もちろん、ごくごく健康的な理想的な生活を送っている子でもうっ滞になります。

うっ滞には様々な原因があるのです。

その原因の大きなものの一つとしては食物繊維が足りないことがあげられます。

うっ滞についてはこちらの記事もどうぞ。

食物繊維は1番刈りチモシーに豊富に含まれていて、2番、3番の順に少ないです。

(1番、2番というのは、刈り取られた順番。種から育ったのが1番刈り。1番刈りを切り取った後に生えてくるのが2番刈り。)

食物繊維には水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維があります。

牧草には主に不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維は消化管の壁を刺激することによって胃や腸の運動性を高めます。

常に大きな動きをする運動性の高い消化管は、多少のストレスなどでは運動をやめないため、うっ滞になりにくくなります。

運動性が高い消化管は、動きも大きいので大きな便を作ります。

食物繊維の多い牧草をよく食べる子の便は、大きく形の整った少し楕円形で、色は薄めで、つぶすとポロポロします。

一方で、食物繊維の少ない食事をしている子の便は、小さかったり、形がいびつだったり、潰した時に粘土のようにねちゃーっとしたり。見た目も不健康そうな印象です

中には食物繊維が足りないことによって軟便にすらなっている子も。

なので、いいうんちを出すことに関しては、豊富な食物繊維、1番刈りチモシーがベストなのです。

↑をまとめて、2番刈りの是非

つまり、不正咬合の予防に関して⇒一番刈りだろうが、2番刈だろうが、大丈夫!

しかし、消化管機能をよくする⇒繊維質豊富な一番刈りチモシーがベスト!ということです

1番刈りチモシーを食べない場合の対処法

1番刈りチモシーは食べないので、「そんなこと言われても困るんですけどー」という方もいると思います。

そんな方が1番刈りチモシーの次にトライしてみるのは2番刈りではありません。

1番刈りを食べないのなら、次に試してみるべきはオーツヘイです。

オーツは、プレスされていて食べやすくされていて、味も甘みがあって、好きな子が多い

プレスされているといっても、含まれている食物繊維の量は変わらないので問題なし!

そして、チモシーの茎はほぼ食べないけど、オーツは茎まで食べる子が多いというのがチモシー1番刈りに勝る点です。

チモシーの茎は全部残しているんじゃ食物繊維は少ないですからね。

チモシー2番刈り、3番刈りの使いどころは?

それでは、チモシー2番刈り、3番刈りの使いどころは全くないのでしょうか。

そんなことはありません。

これらの使い時は、不正咬合や加齢で歯が悪くて、硬い1番刈りチモシーが食べれない子に対して使います。

たしかに1番刈りチモシーに比べると繊維質は劣りますが、全く食べないよりは2番刈り、3番刈り、ましてやそのさらに上をいくソフトチモシーを食べていてくれた方がベターです。

まとめ

「チモシー1番刈りじゃなくても、食べる草ならなんでもいい!」のではなく、

不正咬合の予防には、どんな牧草でもいいが、消化管の運動には豊富な繊維質を含む牧草がベスト

チモシー1番刈が一番低コストで豊富な繊維質ですが、どうしても食べなければオーツヘイがおすすめ。

チモシー2番刈り3番刈りは、歯が悪くて牧草を噛めない子には牧草全く食べないよりはいいでしょう。

しかし、この記事でお伝えしたいのは、歯が悪いわけじゃないのに、若いうちから2番刈り、3番刈りに妥協していってほしくない!ということです。

2番刈り、3番刈りへの妥協は簡単です。しかしその状態から1番刈を食べさせるのはかなり困難を極めます。

牧草を食べてくれるような工夫はたくさんあります。チモシー1番刈りをどうしても食べてくれなくてお悩みの方は、2番刈りに逃げる前に打つ手があるかもしれませんので、こちらの記事もをどうぞ

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この記事を書いた人

たけちよのアバター たけちよ うさぎ系獣医師

〇エキゾチック専門獣医

うさぎの道をおしえてくれたのは歴代うさぎの白雪。今は3匹のうさぎたち(もふ、ゆきひめ、ちゃちゃまる)と暮らしています。
「うさぎの知識や経験を生かして、幸せなうさぎライフを応援する」ことをVisionに日々生きている、うさぎオタクです。
兎年に生まれ、兎年に獣医師になりました

自分たちより先に旅立つ小さなモフモフに、最期のときにはありがとうって言える付き合い方を、うさ飼い全員で目指したい。

飼い主さんのお話を聞くのが大好きです!ちょっとした疑問や気が付いたことなど遠慮せずどうぞ。

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