今日はウサギのノミについてです。ダニではありません、ノミです。
うさぎ特有のノミは知られていませんがウサギもイヌノミ、ネコノミがうつります。
ちなみに、ノミやダニなどは外部寄生虫と呼ばれます。ウサギによくみられるのはどちらかというと圧倒的にダニが多いです。
Contents
ノミについて
ノミとは
ノミは昆虫の一種で、日本では8科71種類が知られています。
すべてのノミは恒温動物(哺乳類や鳥など)の体表で吸血します。
雌だけが吸血する蚊とは異なり、雌雄両方が吸血します。
翅はありませんが、後肢が発達していて、ぴょんぴょん飛びます。
成虫の大きさは1~9㎜。
9㎜って怖いですね。
ノミの一生
ノミの卵は地面に落ち、数日で孵ります。
梅雨の時期は室温、湿度ともにノミにとっての好条件となるため、ノミは盛んに卵を産み、幼虫も育つといわれています。
幼虫の間は、血を吸うことはなく、成虫の糞やふけなどを食べて育ちます。
1-2週間で成虫となり、二酸化炭素を頼りに寄生する動物を探すといわれています。
ノミは宿主特異性が低く、恒温動物であれば割と何でもいいようです。
※宿主特異性:寄生虫の多くは「この寄生虫は、この動物にしか感染しない」という性質です。
だから、犬猫のノミがウサギにも感染します。
ノミの症状
体の背中側から尾の付け根にかけて丘疹やふけが見られ、かゆみによって掻き傷ができることもあります。
耳や顔の周囲にも症状は起こりやすいです。
症状がないこともあり、ノミの糞だけが確認されることも。
犬や猫ではノミアレルギー性皮膚炎が知られています。
ノミが媒介する病気
念のため書いておくと、ノミはウサギの感染症であるウサギ粘液腫を媒介するといわれています。
うさぎ粘液腫はアナウサギ(多くのおうちのウサギ)にとっては致死率の高いウイルス感染症です。
しかしウサギ粘液腫はこれまで日本では一度も起こっていません。(主にヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランドの特定の地域)
ちなみに犬猫では、体についたノミに瓜実条虫という寄生虫が寄生していることがあります。
それを食べることで、犬猫の便の中に瓜実条虫が出てくることもある。
瓜実条虫=サナダムシです。昔はサナダムシダイエットというものが話題になったようです。
ノミにかかる子はどんな子?
一緒に暮らしている犬猫が散歩などで外で寄生されて家へ持ち込まれ、うさぎにノミが移ることが多いです。
そのため、治療を行う場合は犬猫も一緒に治療しましょう。
一緒に暮らしている誰かにいれば、症状がなくても感染している可能性、これから感染する可能性がかなり高いです。
診断
診断は、ノミの成虫や、その糞を見つけます。ノミは動きが素早いのでなかなか見えません。
ノミの糞は肉眼でも見えますし、ノミ取り櫛などですくとみられます。
ノミの糞は、毛の間に黒いすすみたいに見えます。
また、ノミの糞は単なる汚れなどと異なり、濡れたティッシュで包むと血が滲みます。
治療
1薬
主に背中に垂らす薬で治療します。
だいたいはレボリューション?(有効成分はセラメクチン)
1度の投薬では完全な駆虫は難しいです。
そのため、ノミの生活サイクルを考慮し、3~4週間ごとに3-4回投与することが必要になってきます。
また、同居しているワンちゃん、ネコちゃんも一緒のタイミングで治療することがおすすめです。
ちなみに、犬猫の薬をウサギに使ってはいけません。
犬猫でよく用いられる”フィプロニル”は、ウサギへの使用で副作用が多数報告されています。
2環境面
ノミは環境(ケージや牧草)とうさぎさんを自由に行き来できるため、環境をきちんと綺麗にしておくことが重要です。
特に幼虫や蛹は、動物の上にはおらず、成長して成虫になるとよりついてきます。
なので薬で治療をしていても、家にいるとまた感染してしまいます。
まとめ
うさぎのノミは、犬猫から移る!
梅雨は特に多い!
環境中に卵、幼虫や蛹が潜む!
犬猫の薬を使わないこと!
薬は1回だけじゃダメ!
コメント