ウサギの糞の上ににょろにょろと動く虫がいる!
こんなやつです。
この虫の正体と、ウサギにとって害があるのか、どうやって治療をするの?などを中心に紹介します。
心配される方が多いため、先に書いておくと「ほとんど害はありません。
といっても気持ちが悪いですよね
その虫の正体とは、、、ウサギ盲腸蟯虫です
Contents
ウサギ盲腸蟯虫とは
ウサギの消化管に寄生する寄生虫です。
学名はPassalurus ambiguus
寄生虫には様々な形態がありますが、その中でも線虫と呼ばれる分類の一種です。
外見
名前の通り、線のような形をしています。
ウサギ蟯虫を見つけるシチュエーションは、そのほとんどがトイレ掃除のときに便の上ににょろにょろ動く蟯虫をみて驚かれます。(そしてすぐ病院へ相談に来られます。)
成虫の長さはだいたい1cmくらい。
厳密には、オスが5㎜ほど、メスが10㎜程ですが、便に見られるのはほとんどが卵を産みに来たメスになります。
ちりめんじゃこみたい,,,
尾が細くとがっているみためから、海外ではピンワーム(pinworm)とも呼ばれています。
ウサギ蟯虫のライフサイクル
蟯虫はふだん、ウサギの盲腸や結腸(どちらも大腸)に寄生しています。
- 産卵
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メスが肛門に移動して卵を産みにきます。肛門括約筋が弛緩するウサギの睡眠中にくるようです。
産卵後の雌は、時間がたつと死にますが、少しの間は動いています。
- 孵化
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虫の卵が産みだされてから4ー5時間で、中に幼虫がみられます。
- 感染
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中に幼虫がいる卵をウサギが食べると感染します。
肛門周囲で孵化した幼虫が、肛門のほうへ戻っていくことでも感染するようです。(逆行感染)
- 幼虫の成熟
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感染してから50ー55日で成虫になり、卵を産み始めます。ちなみに寿命は100日ほど。
必ずしもウサギさんをお迎えした最初に見つけるわけではないです。今までのトイレ掃除では全然見たことはなかったけど、ある日突然見つけることも普通にあります。
感染経路
感染は、便と一緒に排泄された虫を食べることで感染します。
また、肛門回りで孵った幼虫が、腸に戻っていくことでも感染します。(逆行感染)
症状~ウサギに害はあるの?~
症状は虫がいる以外は特になく、ほとんどの場合でウサギには害はありません。
かなりたくさんの虫が寄生している場合(重度感染)は、体重が減ったり、被毛がぱさぱさしたり、下痢することもあるようです。
あまりにもひどいパターンだと肛門脱になることもあるのだとか。
病院での検査
蟯虫はウサギの肛門あたりに移動して卵を産みます。
なので検査は肛門の周りにテープでぺたぺたし、それを顕微鏡で卵を見つけることができます。
虫の卵の排泄は大体が午後~夕方の時間帯なので、その時間帯だとみられやすいかも。
こんなのが見えます。蟯虫の卵は「柿の種のような形」とよく言われます。
この子は、便の上の虫もいましたが、しっぽの後ろににふけみたいなものも付いていて、それをとって検査したところ、ふけではなく卵の塊でした
ただ、もはや便の上に虫がいる時点で診断でいいかと。
たまに糞便検査で卵が見つかることもあります。
治療
害はほとんどないといわれても、にょろにょろした寄生虫に出くわすのは気持ち悪いもの。
健康な子の場合は、気持ち悪ければ治療します。
治療は大体の場合は飲み薬です。
薬は、成虫(にょろにょろ)には効きますが、卵の中にいる虫には効きません。
そのため、一度の投薬では効かないので虫のライフサイクルに合わせて複数回投与していく必要があります。
蟯虫の薬でよく使う”フェンベンダゾール”は、よくある病気である
エンセファリトゾーン症の治療薬と同じ薬になりますので、エンセの治療歴がある子は蟯虫はいなくなっているかもしれません。。
治療の難しいところ、、、
しっかり治療をしていたとしても、ウサギは食糞で虫卵も一緒に食べやすいため、完全な駆除はなかなか難しいこともあります。
まとめ
蟯虫は病原性は高くないので、様子を見ていても問題はなさそうです。
しかし、ウサギさんがおうちにやってくる前までいた環境があまり衛生的によくなかったのかもしれません。
実際他の病気にかかっていることもありますので、もし蟯虫がいたときは、虫と一緒にウサギさんを病院へ連れて行ってみましょう。
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