『ウサギの目が白くなった』という時に,もっとも多い疾患のひとつである、白内障についてです。
白内障とは
白内障では目の水晶体(=レンズ)が白く濁ります。
白く濁る原理としては、水晶体のタンパク質が酸化してくることです。
水晶体が濁ってくると眼に入ってくる光を邪魔するので、光を感じる網膜までしっかりと光が届かなくなり、視力が低下します。
ちなみにうさぎさんの視力はなかなか測れません。
白内障の家での見分け方
“目が白くなる”病気は白内障以外にもあります。
例えばよくあるものだと水晶体ではなく、角膜が白く濁っているものがあります。
ある程度進んだ白内障であれば、こちらで簡易的に見分けられます。
原因 (加齢、ぶどう膜炎、遺伝性)
ウサギの白内障は大きく以下の原因にわかれます。
- 加齢による白内障
- ぶどう膜炎による白内障
- 遺伝性の白内障
- 加齢による白内障が最も多いです。
目の水晶体(レンズ)の酸化によりおこります。
何か特定の原因ではなく、長生きしているからこそ起こってくるものです。
2. ぶどう膜炎による白内障は、うさぎさんではよくエンセファリトゾーン症の感染にともなって起こります。
そのため、若い子でもみられることがあります。
3.これは生まれついての白内障です。
どちらかというとレアケース。
症状 目が白く濁る
水晶体が濁るので、目が白くなって気がつく方が多いです。
まだ軽度なものだと気がつきにくいです。
ぶどう膜炎や緑内障が続発して起こると涙目や眼脂などの兆候が見られます。
検査
目の構造を見る専用の器械で見るのが正確です。(細隙灯顕微鏡)
肉眼で白内障だとわかるものもありまず
治療 お薬?手術? 生活への支障
白内障の治療について考える上で留意しておかないといけないことがあります。
それは白内障は、『お薬などでは改善しない』ということです。
・手術をする→白くなった水晶体を破壊して吸い取ります。
・お薬や目薬→白内障の進行を送らせる”かもしれない”
水晶体のタンパク質の変性です。イメージとしては透明な卵白がゆで卵になって白く濁ったものだと考えてください。一度ゆでられている卵は元には戻りません。
目が見えないと、普段の生活で不便さが目立つイヌや人などは、手術をすることは一般的な選択肢です。
しかし、うさぎさんは多少目が見えにくくなっていても、(ましてや全く見えていなくても)普段の生活で困ることは少ないです。
白内障の手術には高度な医療設備が必要で、手術にかかる麻酔などや合併症などのリスク面、費用などと、手術から得られるメリットを天秤にかけて考えます。
そのため加齢によっておこるうさぎさんの緑内障は、積極的に手術をするというより、経過をみていくことがおおいです。
また、治療ではないですが、進行を防ぐ目的で抗酸化物質のサプリメントを飲んだり、点眼薬をつかってみることもあります。
サプリメントはこちら⤵︎ 犬猫用ですが、成分は主に抗酸化物質。長期で飲んでる方もいますが、いまのところうさぎさんで問題は起きていません。
自分で食べてくれる子が多いです。
まとめ
白内障とは?→目の水晶体が白く濁ること
原因は加齢、ぶどう膜炎、遺伝性など
完治を目的とする治療は手術となります。
進行を遅らせる目的で、サプリメントや目薬があります。
ただし、基本的に一度白くなった白さが改善することはありません。
コメント