臼歯の不正咬合についてです。
以前は切歯の不正咬合についての記事を書きました。
切歯(前歯)不正咬合についてはこちら
切歯の不正咬合は、下からみればすぐにわかる、わかりやすいですね。
しかし、臼歯 ( 奥歯 )の不正咬合は、外からみるだけじゃわからない!!
さらに、前歯よりも奥歯の異常は食欲に影響しやすいため、注意が必要です。
今回は、口の中をみれない自宅でも気づいてあげられるように、うさぎさんの臼歯不正咬合のときによくみられる症状を中心に解説します。
これらが当てはまる場合は一度病院へ行って、口の中を見てもらいましょう♪
ウサギさんの臼歯について
ウサギさんの臼歯は前歯( 切歯 )と同様、ずっと伸び続ける常生歯です。
歯式、2033/1023です。
犬歯がなく、前歯と奥歯の間が空いているのが草食動物の特徴です。
臼歯が伸びているときによくみられる症状ベスト
よくみられる臼歯の不正咬合の症状は食欲不振以外にも以下が挙げられます
比較的初期の症状
- 牧草の食べが悪くなる
- 食べる速度が遅くなる
- 食べようとするけどやめる
- 喜んで走ってくるくせに食べない
- ペレット、おやつなどをぽろっと落とす
- 普段かじらないものをかじる
- 口をもぐもぐする(はぎしり)
- よだれが手についている
このまえは奥歯がのびてくるとカラー刷り広告をよく食べるようになるという子もいました。
不正咬合が進んでくると、歯の根っこ側にも伸びてきます。
比較的すすんだ症状
- 下あごがぼこぼこしている
- 流涙、めやにの増加
- 目の赤み
- くしゃみや鼻水
さらに、不正咬合になっているかどうか確認するいい方法があります。
これがあれば8割不正咬合
硬いペレットは食べないが、お湯をペレットが浸るくらいいれてふやかしたペレットはよく食べる、強制給餌の流動食はよく食べる場合
ちなみに、不正咬合では物理的に食べれないことが問題であることが多く、あまり体調面が悪くなることはないので注意です。
デリケートな子は、不正咬合でもじっとうずくまったりします。個体差は大です。ただ、いずれにせよ病院へ
体調が悪い、ぐったりしている場合は他の原因も考えていく必要があります。
また、食欲の低下のしかたも、急に全く食べなくなることは少ないです。まず牧草の食べがおち、ペレットを食べるのが遅くなるところから、少しずつごはんを残すようになってくることが多いです。
また、どこが伸びているかによっても症状は少し異なります。
例えば、下の臼歯が伸びていて、舌に刺さっている場合は、何も食べなくなることもあるくらい痛いようです。
臼歯不正咬合の原因
「なぜ不正咬合になっちゃったんですか??」と聞かれることはよくあります。
一般的によく言われていることは牧草を食べないことで臼歯が伸びてしまうこと。
あと、前歯の不正咬合がある子は、いずれ奥歯の不正咬合になりやすいといわれます。
しかし、実際牧草をよく食べている子でも年齢を重ねるうちに不正咬合が出てくることは全然普通にあります。
なので、牧草を食べているからといって不正咬合にならないとは限らないです。
逆に、ペレットが、ほとんどで牧草を全然食べない子でも、歯は100点満点の子もいます。
つまり、食生活だけでなく、遺伝などがかかわっている可能性は大きいです。
うさぎさんは本来、野生では3〜4年ほどの寿命しかありません。なのでそれ以降の体の健康の保証はないのです。
ただ、人間と一緒に暮らしている以上、3〜4年なんて言わずになるべく長い時間一緒に暮らしていきたいですよね。そうすると、どこかの段階で医学介入が必要になってくるのでしょう。
臼歯不正咬合の治療
病院によって無麻酔でほとんどやるところ、麻酔をかけてやるところ、場合によって使い分けるところがあります。
『無麻酔でできるからすごい』とかではなく、無麻酔、麻酔下のどちらにもメリットとデメリットがあります。
個人的にはどちらも選ばせてくれる病院がおすすめ
無麻酔臼歯カット
メリットとしては、気軽に行えること、金額が安い、麻酔のリスクがないことです。
デメリットとしては、ペンチで行うため、歯根の負担がある、暴れてしまうと怪我のリスクもある、複雑な伸び方は処置できない、1番奥はみえにくいので切れないこともあるということ。
処置の間隔はそれぞれです。
麻酔下臼歯カット
メリットは怪我のリスクがほとんどない、ストレスかかりにくい、奥までしっかり見える、複雑な伸び方も調整できる、ドリルを使えるので比較的歯根の負担が少ないと言えます
デメリットは、麻酔のリスクがあること(高齢の子は特に)、費用が高いこと。
うちの子のためならいくらでも払える!という方もいると思いますが、継続的な処置が必要になることが多いため、きちんと考えましょう。
ちなみに、あまり知られていませんが、ペット保険は歯科処置には適用できないことがほとんどですのでご注意を。
予防とまとめ
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